左クリックが出来なくなったマウスを静音化して修理した件[logicool G500]

大切に使ってきたお気に入りの有線マウスの左クリックが反応しなくなってしまったので、分解してスイッチ交換して修理したよ、ってお話。ずっと気になっていたカチカチというクリック音対策として、logiの静音マウスにもよく使われているクリック感の少ないマイクロスイッチに置き換えたところ、とても使いやすくなりました。

チャタリングが発生。。。まずは接点復活剤

好奇心旺盛なので、とりあえず調子が悪くなったガジェットは分解はしてみたくなります。ですが、ハンダ付けして電子部品を交換するのは面倒なのでお手軽に済ませたいものです。ネット上の同様なトラブルを検索してみると。。。接点復活剤(スプレー)で改善するということを言っているひとがちらほらいたため、試してみました。

改善したような気がして様子をみていましたが、やっぱりときどき左クリックを取りこぼす(クリックしても反応しないときがある)ようでした。

修理するか、新調するか

持ち運び用に、ワイヤレスの静音マウスをつかっていて、クリック音がほとんどしないためとても気に入っていました。次買うなら同じような静音タイプのマウスにしたいと常々思っていました。

また、現在使用しているlogicool の G500の軽くて高速に回転するスクロールホイールが気に入っているので、これも外せない機能でした。

世間的にはクリック音がしっかりするタイプのマウスのほうがメジャーで、静音タイプは安めのものしかなくて選択肢が限られます。高速スクロールホイールを搭載している機種は現時点では見つかりませんでした。

なければ作ればいいじゃない!ということで、愛用している logicool の 静音マウス M331 に使われているスイッチを調べてみました。

こちらに使われているスイッチは、中国の Kaihua Electronics 製のものであることが判明しました。G550 にも使われているOMRON製のスイッチに置き換えて静音化するための部品として定評があるそうです。スイッチ交換を楽しむ文化はキーボード界隈ではよく聞く話ですが、マウスでもあるんですねぇ。

1個数百円で買えるようなので、さっそくポチって交換してみることにしました。どっちみち G500 は壊れてしまっているので、失敗したらその時は潔く諦めようと決心しました。

とりあえず分解する

さっそく分解してみます。

シールを剥がしたところにネジ穴が隠されています。綺麗にはがせなさそうだったので、logicool G500 の製品名が書かれたシールはドライバで穴を開けてしまいました(汗)

背面のネジを全部外すと簡単に上下に分かれました。

親指で操作する「戻る」「進む」のボタンはメイン基板とフレキケーブルで接続されていました。ツメをはね上げてロックを解除してケーブルを取り外します。無理にひっぱらないように注意。

さっそく交換対象のスイッチがお目見え。左・右共にOMRON の D2FC-F-7N(10M) という部品でした。

メイン基板を取り外すために、上に乗っかっているパーツを順番に取り外していきます。ホイールを固定しているピンを向かって左側にひっぱって抜きます。

ホイールが取れたら、次は上から見えるネジをすべて外し、ウエイトを装着するための赤い部品、ホイールを固定していた台などを外していきます。すべて取るとメイン基板がとりはずせます。

とれました。左クリックと、右クリックに使われる、縦長のマイクロスイッチが2つ確認できます。

やっかいなことに、メイン基板は2枚の基板がハンダ付けでがっちり固定されてしまっています。これらを外すのは面倒でちょっと躊躇してしまいます。交換するマイクロスイッチの足側はハンダごての先がなんとか入れられそうな隙間があるので、無理やり作業してみます。

はんだ吸い取り線をラジオペンチで固定しながら、はんだを吸い取っていきます。基板の固定には、フレキシブルアームを使用しました。これがあるのとないのでは作業効率がぜんぜん違います。

取り外したOMRON製スイッチ(左)と交換する静音スイッチ(Kailh MUTE) (右)

形が全然ちがって、一見互換性があるとは思えないですね。OMRON の D2FC スイッチは3本足で、クリック中に通電する端子と、クリックしていないときに通電する端子があるため、3本あるようです。交換するスイッチ(右)はクリックしたときだけ通電する仕様となっているため、2本の端子になっています。

左クリック側のスイッチだけ置き換えてみた図。元々のスイッチは上側にボタンが寄っていて、交換後のスイッチも同じ部分にボタンが来るように配置します。

ちょっとドキドキでしたが、フタを閉じてネジを締めるまでクリックができなかったので焦りました。。。

感動のクリック感

logiの静音マウスにも採用されているスイッチだけあって、求めていた静かで軽いクリック感に仕上がりました。使い慣れた logicool G500 でこれが実現できたのはとてもうれしい。

logicoolは他のマウスでもOMRON製の同等のマイクロスイッチを採用しているらしいので、いざとなればスイッチを静音化ができそうです。今後買い換えるときの選択肢が増えるのでちょっと安心。

静音マウスは欲しいけど、改造なんてやってらんないってときは以下が候補になるかも。

ゲーミングマウスとか、高級モデルでもあったら買うのにな。今後も静音マウスが市民権を得てラインナップが増えていきますように。