マイニング用PCの電源の選び方

こんにちは、ぼくです。マイニング用PC用のパーツを選びました。電源について詳しくなったので選び方についてまとめてみます。

自作PCを作ったことがある方でも、電源は動けばいいやぐらいに思っている方も多いんじゃないでしょうか。ぼくもそうでした。

一方でマイニングを行う場合、収益 – 電気代 が利益となるため、どんぶり勘定じゃあだめですよね。そこで電源の容量や変換効率をまじめに考えてみます。

変換効率について

PCのATX電源というのは、コンセントの AC100V からDC5Vや12Vを作り出すものです。変換するときにどうしても無駄が発生してしまい、一定の割合で熱として発生します。どのくらい無駄なく変換できるかは変換効率(%)で表されます。

電源の変換効率は 80PLUS という規格で規定されており、電源製品にはたいがいこのマークがついています。

ぼくは電源をあまり重要視していなかったため、値段だけ見て GOLD を選ぶことが多かったです。松竹梅なら、とりあえず竹にしとくか的なノリで。初期投資を抑えたい気持ちが働き、高性能なモデルより価格を優先してしまいがちでした。

マイニングのように常にフルパワーで動作させ続けるような用途の場合はそうはいきません。数円の違いでも24時間365日動作させるとチリツモで結構な電気代になってしまいます。

まずは 80PLUS で規定されている変換効率を見てみましょう。画像は公式サイトから拝借しました。 (https://plugloadsolutions.com/80PlusPowerSupplies.aspx)

たとえば、変換効率90%というのは、100Wをコンセントから引いた場合、実際にPCへ供給できるのが90%の90Wということです。残りの10%は熱になってしまいます。

表の下にいけばいくほど効率がよくなっていくことが分かります。また、負荷(Reted Load)が50%の時が一番効率がよいということも読み取れますね。

必要な電源容量

電源効率が一番良い負荷は50%付近であることが分かりました。運用に必要な電源容量が50%くらいになるようなワット数の電源を使用するのが理想的ですね。

一般的に一番消費電力の高いCPUとGPUの消費電力を足したワット数の1.5~2倍の容量を選ぶべしと言われているのも納得です。

変換効率と電気代の関係

とはいえ、電気代でどれくらい差がでてくるのかわからないと実感がわかないですよね。

80PLUS GOLDとPLATINUMの50%、100%では、2%の違いがありますが、これが電気代にどれほどのインパクトがあるのかを計算してみます。

たとえば、Ryzen7 1700(TDP 65W) と GeForce GTX 1070(TDP 150W) の組み合わせで、同じGPUを4枚積んだとして、65+150*4 = 665W。メモリやHDDやファンなどを足してシステム全体で700W とします。

簡単化のために負荷 100% の 変換効率で計算すると、700W得るのに必要な消費電力は

GOLD 87% — 700÷0.87=804.59 W

PLATINUM 89% — 700÷0.89=786.51 W

となります。差し引き 18.08 W

1日の電気代としては、18.08 * 25 * 24h /1000 = 10.848円 (電気代 25円/1kWhとして計算)

365日だと 3959.52 円になります。

チリも積もれば。。。ですね。

同じメーカーのほぼ同じスペックのGOLD、PLATINUMの製品の実際の価格差を比較してみます。

Corsair の HX850iRM850x です。

kakaku.com の比較機能を使いました。

2017/12/27時点の価格差、たった2370円!他のメーカーも調べてみましたが、3~4000円程度の差でした。

メーカーによっては5~10年保証してくれる電源もめずらしくないので、24時間365日動かした場合は確実に元がとれると言って良いと思います。

実際に調べてみると結構差があることがわかって良かったです。これからは電源はケチらずいいものを買おうと思ったぼくでした。

※日本のコンセントがMAX 1500Wということも考慮すると、750Wを超えると1つのコンセントに2台繋ぐことができないというのも、ワット数選択のポイントかもしれません。

単独で電気代を常に記録してくれます。PCに繋ぐとエクセルで読める形式で保存できます。収益を計算するのに便利。